先日、身体醜形恐怖(BDD)をテーマにした動画を視聴しました。動画の中で、BDDの原因の一つとして社会的・文化的要因、特にルッキズムの影響が指摘されていました。私も以前、このテーマでブログを書いたことがあり、その中で「社会全体でルッキズムを是正し、外見以外の価値を尊重する文化を醸成する必要がある」と提言しました。
しかし、改めて考えてみると、これは非常に困難な道のりだと痛感します。ルッキズムは、社会全体、私が表現する所の「お世間様」が生み出した価値観です。お世間様が自らの価値基準を正すことなど、現実的に可能なのでしょうか?
ルッキズムの根深さと、自己肯定感への影響
ルッキズムとは、外見の美醜によって人の価値を判断する考え方です。私たちは幼い頃から、容姿の良い人が称賛され、そうでない人が軽んじられる場面を数多く目にします。メディアは常に美しいとされる人々を映し出し、外見至上主義的な価値観を強化します。
このような環境で育つと、私たちは否応なく自分の容姿を他人と比較し、劣等感を抱いてしまいます。特に思春期は、容姿に対する意識が最も高まる時期であり、ルッキズムの影響を受けやすいと言えるでしょう。その結果、自己肯定感が低下し、BDDのような精神的な問題を抱える人も少なくありません。
例えば、SNSでは加工された写真が溢れ、現実とのギャップに苦しむ人が増えています。また、就職活動においても、容姿が選考に影響を与えるという現実も存在します。これらの事例は、ルッキズムが私たちの生活に深く浸透していることを示しています。

お世間様はアホなのか?認知療法の可能性
では、どうすればルッキズムの呪縛から逃れられるのでしょうか?私が提案したいのは、「お世間様はアホだ」ということを理解させることを主眼に置いた認知療法です。
もちろん、社会には知性的で良識のある人々もたくさんいます。しかし、残念ながら「アホ」な人々も存在し、その影響力は決して小さくありません。特に、声の大きなアホは目立ちやすく、社会全体の雰囲気を歪めてしまうことがあります。
例えば、匿名掲示板やSNSでは、心無い言葉で他人を傷つける人が後を絶ちません。これらの人々は、自分の言葉が相手に与える影響を想像することができず、ただ快楽のために攻撃的な言動を繰り返します。
このようなアホな言動を目にするたびに、私たちは「お世間様」という存在に圧倒され、自分の価値を見失ってしまうかもしれません。しかし、ここで冷静に考えてみましょう。本当に「お世間様」は正しいのでしょうか?彼らの価値観は、本当に私たちにとって重要なものなのでしょうか?
認知療法では、自分の考え方や行動パターンを見直し、より建設的なものに変えていくことを目指します。ルッキズムに対する認知療法では、まず「外見が全てではない」という事実を認識し、自分の内面的な価値に目を向けることから始めます。
具体的な認知療法の例
- 思考記録: 自分の容姿についてネガティブな考えが浮かんだ時に、それを記録し、客観的に分析します。例えば、「私は太っているから誰にも愛されない」という考えが浮かんだとします。この考えに対して、「本当に太っているから愛されないのか?」「私の周りには、太っていても愛されている人がたくさんいるのではないか?」と問いかけ、より現実的な考えに修正します。
- 行動実験: 自分が容姿を気にしすぎて、本来楽しめるはずの行動を避けている場合に、あえてその行動に挑戦してみます。例えば、「私はブサイクだから、人前に出るのが怖い」と思っている人が、思い切って友達と遊びに出かけます。その結果、「意外と誰も私の容姿を気にしていない」「むしろ、楽しい時間を過ごせた」ということに気づくかもしれません。
- セルフコンパッション: 自分の容姿について落ち込んでいる時に、自分自身に優しく語りかけます。例えば、「私は完璧ではないけれど、それでも良い」「誰にでも欠点はあるのだから、自分を責める必要はない」と心の中で繰り返します。

メディアの責任とアホメディアの存在
また、アホメディアの存在も忘れてはなりません。一部のメディアは、視聴率やアクセス数を稼ぐために、センセーショナルな話題や過激な表現を多用します。その結果、ルッキズムを助長したり、人々の不安を煽ったりすることがあります。
例えば、美容整形を過剰に推奨する広告や、ダイエットに関する誤った情報を流布する記事などは、私たちの容姿に対する不安を増幅させます。また、有名人のスキャンダルを面白おかしく報道する姿勢は、他人を嘲笑する文化を助長します。
このようなアホメディアに対しては、私たち消費者が批判的な目を持ち、情報を鵜呑みにしないことが重要です。また、メディア企業に対しても、より倫理的な報道を求める声を上げていく必要があります。

まとめ:お世間様の呪いを解き放ち、自分らしく生きる
ルッキズムは、社会全体に根深く浸透した問題であり、解決は容易ではありません。しかし、私たちは諦めることなく、一人ひとりが意識を変え、行動していくことで、少しずつ状況を改善していくことができるはずです。
お世間様の価値観に振り回されるのではなく、自分の内面的な価値に目を向け、自分らしく生きることが大切です。認知療法を通じて、思考パターンを修正し、メディアリテラシーを高めることで、私たちはルッキズムの呪縛から解放され、より自由で豊かな人生を送ることができるでしょう。
YouTubeなどの動画サイトも、多様な価値観を発信するプラットフォームとして活用できます。積極的に情報を収集し、自分の考えを深めていくことが重要です。もし、参考になるYouTubeの動画があれば、ここにリンクを貼ってください。

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